現虚夢

イェーイ

この話書くのたぶん2回目じゃん

ツイッターで「小学生のときテントウムシとアブラムシの共生について話したらクラス全員から嘘つき扱いされ先生もはじめは信じてくれなかった」という話を見て自分も似た話を書く。

中学生のころから学校には通っていなかった。そうなると親はぼくを精神科に連れて行った。医者に「抑うつ症」(うつ病とどう違うの?)と診断され、処方されるがままサインバルタとかを飲んでいた。効いていたかどうかも分からない。毎日を寝て過ごしていた。それ以外には本当に何もしない毎日……。親は「睡眠バランスがおかしい」とだけ医者に伝え、ぼくはそこじゃねぇだろと思ったが医者はハイハイと新たに睡眠導入剤を処方した。飲むと呂律が回らなくなるが、眠くなるかどうかは飲んだ感じはぜんぜん分からなかった。ホントに効いてたのか?出された薬なので、勿体ないからしばらくは飲んで寝ていた。無くても寝れるけど……。たぶん、昼が嫌いだから昼に寝てただけ、親が嫌いだから親の起きている時は寝てただけだったのかな?ぜんぜん分からない。ぼくは何をしていたんだっけ。

睡眠導入剤は「一度にたくさん飲まないようにわたしが管理する」と父が医者に述べ、医者は「これはいくら飲んでも死にませんから」と伝えたのだが、なぜか父が管理することになった。寝る前に「薬くれ」とぼくが申告すると一粒もらえるシステムだ。仕舞ってある場所が普通にぼくに分かるように取り出すので、本当になんのためだったのか。

「勿体ないから」と飲んでいた睡眠導入剤も1週間もすれば飽きる。1ケ月に1度病院に連れて行かれる以外にはなにもやることはなく、3ヶ月ほど家で快眠だけしていた。睡眠導入剤も必要なく。

ある日、睡眠導入剤が欲しくなった。寝る以外にすることがないのに寝れないという日も3ヵ月に1回は来るのだろう。

「父さん、睡眠導入剤おくれ」
「はぁ?何言ってるんだ?」
睡眠導入剤は自分が管理するってあんたが自分で言ったんじゃないか」
「何を言ってる?薬なんか俺は管理してないよ」
「ウソつけ、そこらへんに置いてあっただろ」

ちょっと探してみても睡眠導入剤は見つからなかった。

「父さん、あんた場所知ってるでしょ。出してよ」
「はぁ…また頭がおかしくなったのか?」
「俺の頭がおかしくなったことなんてないよ。どこがおかしいのか言ってみろ」
「お前は学校に行ってないだろ。普通じゃないよ」
「普通ってなんだよ。父さん、睡眠導入剤はそこにあったでしょ。学校とは関係ない。たった3ヵ月前のことだよ。なんで忘れるの」
「お前頭がおかしくなってるんだよ」

正しいことを言っても「頭がおかしい」というレッテルを貼り付けられていてはこんなものだ。泣きながら正しいことを主張しても認められることはなかった。こんな簡単なことを、親にすら信じて貰えない。誰にも信じて貰えない。ぼくはずっと「頭がおかしい」ままで、誰にも理解されることはない。ぼくはずっと一人だ……。いつも男子中学生なりに反抗してなんでも反論したり暴れたりもしていたのに、その時ばかりは完全に言葉を失ってさめざめと違う部屋の隅で泣き始めたので「また自殺を試みるのではないか」といつもと違う異様なぼくの様子に焦った父は何をしていいか分からなくなり、母(看護士の仕事をしていて、その日は昼シフトあとに連続で始まる深夜シフト前の短い貴重な睡眠をとっていた)を叩き起こしてぼくのところに遣わせた。その日ほどぼくが親に傷つけられたことはない。中学生のころは純真だった。家族はいつでも絶対に味方だし、いつか理解もしてくれるだろう……と信じていた。親も教師も医者も、中学生のぼくより愚かなやつは普通にいるよなぁとは流石に中学生のころには悟ってしまっていたけど、なんで親だけは信じちゃうかなぁ。いまではすっかり人間を信じず、強くたくましく生きている。

後日、同じところを探したら普通に睡眠導入剤が出てきた。ほら出てきたじゃないか、あんた自分でなんて言ったか覚えてるか?と伝えた。父は謝ったっけ?それすら定かではない。ぼくの言葉の意味が理解できなかったんだっけ?本当に忘れていたのだったか。言いたいことは無限にあったが、それ以上にぼくは呆れ返ってしまい、泣くことも怒ることもなく、ただ発掘された睡眠導入剤を飲んで寝た。泣いても怒っても意味はない。人間はどうせ良くならない。人間に期待しない……。大事なことを学んだのだ。

途中で書いていて気付いたのだが、このできごとを文章化するの二度目な気がする。「お前が頭おかしくなってるよ」みたいなタイトルで既に記事を書いた気がする。ていうか自分の記事ページ見てそのタイトルが目に入ったからこそ記憶が触発されてもう一回書いちゃった気がする。父と違って思い出せるだけマシか?

誰も信じてくれない。ぼくだけがこの世界で正気なんだ。こんなに正しいことを言ってるのに……。まぁ、人間に期待しすぎるものではないか……。でもやっぱり許せないし絶対にみんな間違いに気付かせて土下座させてやる。一人ずつでかいハンマーで頭殴って頭蓋骨陥没させて殺してやるからな。